ベトナム
レチビエン:
知られざる物語
第1章
ミンは家へ歩きながら、暗い気持ちで宿題を見ました。二日間ではできません。ミンの前には、大きな木を運ぶ工事の人がいました。その大きな木がミンの頭に当たりました。
ある日の授業中、ミンは寝ていました。ミンの先生は怒りました。
「私の話を聞いていましたか?」ミンは答えられませんでした。
「木曜日(の授業までに、レチビエン事件について、2000語のレポートを出してください。わかりましたか?」
「そんな! あと二日しかありませんよ!」
ミンが周りを見ると、何かが変でした。
ミンは家にいました。そこはハノイではありませんでした。
「大丈夫ですか? 君は事故にあったんです!」男が言いました。男は昔の服を着ていました。
「君は誰ですか? 僕はどこにいるんですか?」
「僕の名前はヴゥです。ホア・ルの外の川の近くで君を見つけました」ホア・ル? 川? ミンは何もわかりませんでした。
「家族に電話したいです。電話を貸してください」
「何だって?」ヴゥはミンに聞きました。
「電話を知らないんですか? 変な人ですね」
「僕が君を助けたのに、その言い方はなんですか?」ヴゥは怒りました。そしてどこかに行きました。
ミンは一人で色々なことを考えました。ここには、新しいものは何もありません。タイムトラベルをしたのでしょうか?「うそだ」とミンは思いました。
ミンはヴゥを探しました。ヴゥは、庭で戦う練習をしていました。
「おーい!」ミンはヴゥを呼びました。
「びっくりした!」ヴゥは言いました。
「ごめんなさい。あの、質問があるんですが」
「僕もです。君はいつ、ここから出ていくんですか?」
ヴゥはミンのことをよく思っていませんでした。
「ここはどこですか?」
「ホア・ルです」
「ホア・ルはどこですか?」ヴゥは困(こま)りました。
「ホア・ルはダイ・ヴィエトの首都(しゅと)です。誰(だれ)でも知(し)っています。本当(ほんとう)に、君(きみ)はどこから来(き)たんですか?」ダイ・ヴィエトは、ベトナムの古(ふる)い名前(なまえ)でした。
「今(いま)、何年(なんねん)ですか?」ミンは聞(き)きました。
「今(いま)は、1447年(ねん)です」ヴゥは言(い)いました。ミンは本当(ほんとう)にタイムトラベルしたのです。
「泣(な)いているんですか?」
「泣(な)いてません!」しかし、ミンは泣(な)いていました。
「顔(かお)を洗(あら)いますか?」
「ありがとう、bro」
「それはどういう意味(いみ)?」ヴゥは聞(き)きました。
しかし、ミンは川(かわ)へと歩(ある)いていました。
第2章
夜になりました。ミンは川から帰ってきました。二人は何を話ばいいかわかりませんでした。しかし、ヴゥが話し始めました。
「気分は良くなりましたか?」
「うん!」ミンはすぐに答えました。
「君の名前は何ですか?」ヴゥは聞きました。
「まだ言ってませんでしたね。僕の名前はミンです」
「君の話、全然わかりませんでした。説明してください」ヴゥは言いました。
「本当に変な話だけど、」ミンは話し始めました。
ミンはヴゥに、ミンが未来から来たことを説明しました。ヴゥは信じることができませんでした。しかし、楽しそうにミンの話を聞きました。
ミンはヴゥに、ミンが未来から来たことを説明しました。ヴゥは信じることができませんでした。しかし、楽しそうにミンの話を聞きました。
「なぜ君は一人なんですか? 家族はどこにいますか?」ミンは聞きました。すると、ヴゥの顔から笑顔が消えました。
「僕の家族は死んだんです」
「ごめんなさい」
「いいんです。これは誰にも話したことがありません。家族が死んでから、僕はずっと一人でした」
「どうしてですか?」ミンは聞きました。しかし、聞いてはいけないことだと気づきました。
「答えたくなければ、答えないでください」ヴゥは少し考えてから、話し始めました。
「僕の父は前の王と親しい関係でした。でも、新しい王は僕の父を好きじゃありませんでした。父は仕事をやめました。僕たちは首都を出ました。しかし、あの日…」ヴゥは続けました。
ある日、王はヴゥの家をたずねました。しかし来る時に、マラリアで死にました。王の死は、女王によってヴゥの家族のせいにされました。彼女はヴゥの家族を殺(ころ)すことにしました。
ヴゥの母は、ヴゥを家から出しました。母はヴゥに言いました。「ここから逃げて、家族に罪がないことを証明しなさい。そして、彼らに復しゅうしなさい」母はヴゥに父の書いた手紙を渡しました。これが「レチビエン事件」です。
ミンは何も言えませんでした。
「僕は勉強をしながら、戦う練習をしています。王宮で働きたいんです」
「え?」
「試験に合格したら、王宮で兵士として働けます。さらに訓練も受けられます」
「でも、なんのために? 彼らが君の家族を殺したのでしょう?」
「僕は王宮に入らなくてはいけません。僕の両親に罪はないと証明するためです」ミンは反対しました。しかし、ヴゥはもう決めていました。
「それなら、僕も一緒に行きます」
「なんだって?!」ヴゥは言いました。
「未来に帰ることができないなら、君を助けたいんです!」
「戦い方は知っていますか?」
「僕はテコンドーが得意です! 戦う自信はあります」
「それでは、見せてください」
シュウッ!ズダン!
ミンはヴゥを床に投げました。ヴゥは笑いました。ミンはヴゥを起こしました。そして、一緒に笑いました。
「明日の朝、一緒に練習しますか?」
「もちろん、bro」二人は笑って家へ帰りました。
次の日の朝から、ヴゥとミンは練習を始めました。
試験の前の日の夜、ヴゥは父の手紙を思い出しました。
「一番危険な場所が一番安全な場所だ」
ヴゥの父は、何かを王宮に残しました。それは、女王の秘密を見つけるためのものです。ヴゥはそう信じていました。だから、ヴゥは絶対に王宮に入らなければなりませんでした。
第3章
ミンとヴゥは王宮の兵士になることができました。しかし、時間が過ぎるうちに、二人は自信をなくしました。訓練が厳しかったからです。ミンとヴゥには話す時間がありませんでした。
「もうこんな生活は嫌です!」ミンは、この時代から出られないと思いました。
その夜、ミンは逃げました。ミンは、道に迷いました。すると、誰かの声が聞こえました。
「おい!」ミンはびっくりして動けませんでした。
「おーい! 僕です!」ヴゥでした。ミンは安心しました。
「何を考えていたんですか!」ヴゥは怒りました。
「ごめんなさい。僕はただ…、二人でここから出たかったんです」ミンは言いました。
「僕も悪かったです。君が未来に戻りたいことはわかっていたんです。でも、もし君が戻ったら、僕はまた一人になります。君は僕の、初めての友達なんです」ヴゥは言いました。
「bro…」ミンはヴゥの肩に手を置きました。ヴゥは泣いていました。
「秘密の場所がわかりました。君が帰れるように、すぐに行きましょう!」ヴゥは言いました。
「おい!」遠くから大きな声が聞こえました。二人は、兵士に見つかりました。
「逃げろ!」二人は走りました。
二人は別の方向に逃げました。ミンはまた、道に迷いました。
ミンは近くの部屋に入りました。その部屋には、たくさんの本がありました。ミンは変だと思いました。そして、本棚を強く押しました。すると、秘密の部屋を見つけました。そこには、美しい箱がありました。その箱には鍵がかかっていました。ミンは、この箱が証拠だと考えました。
ミンは喜びました。しかし、誰かがミンを捕まえました。
「ミン!」ヴゥがミンの名前を呼んでいるのが聞こえました。
ミンは自分がつかまっていることに気づきました。ヴゥもつかまっていました。ミンの周りにはたくさんの男と、一人の女がいました。男たちの一人が、箱を女に渡しました。
「その箱は僕のものです!」ミンは言いました。
「あなたのものではないでしょう」彼女の話し方や服から、女王だとわかりました。
「あなたたちは何ですか? ここにきて欲しいものを手に入れられると思いましたか? ここにあるものはすべて私のものです!」
女王が話す間に、ヴゥとミンは逃げようとしました。すると、女王がヴゥの肩を切りました。
「二人を殺しなさい!」女王は男たちに命令しました。
「ミン! 気をつけて!」ヴゥが大きな声で言いました。一人の男がミンの頭を殴りました。ミンは倒れました。
第4章
「おーい!大丈夫ですか?」ミンは起きました。工事の人が、ミンを心配そうに見ていました。ミンは自分の時代に戻ってきました。
「僕は大丈夫です。もう行かないと!」ミンは走って家帰りました。
「ミン! 遅かったじゃない!」ミンの母は言いました。
「お母さん、ごめんなさい! 用事があるから!」ミンは階段を上がりました。ミンはヴゥに何があったかを知りたかったのです。ミンはパソコンで、ある単語を調べました。
『レチビエン』
「レチビエン事件は有名な事件です。レ・タイン・トン王は、グエン・トライの家に行きました。しかし、王は死にました。女王はグエン・トライが、王を殺したと考えました。女王は、彼の家族を殺すように命令しました。しかし、グエン・トライの息子のグエン・アイン・ヴゥだけは無事でした。五年後、ヴゥは女王の秘密を知りました。女王は悪い人でした。グエン・トライの仲間たちは、女王と戦いました。そして、女王に勝ちました」
ミンは、学校でレチビエン事件について発表していました。
「グエン・トライに罪が無いとわかりました。さらに、グエン・アン・ヴゥは偉くなりました。ヴゥは、彼の父のように国の力になりました。これで発表を終わります」
クラスメイトはミンに拍手しました。ミンはうれしそうでした。
「ミンさん、びっくりしました! 詳しいレポートですね。いい発表でした! 100点です!」
クラスメイトがもう一度、拍手しました。ミンは、ヴゥのために嬉しくなりました。ヴゥは何世紀も前の人ですが、ミンの大切な友達です。
また頭を打ってヴゥに会いたい、とは思いませんでしたが。
THE END