フィリピン
シスター・アイランド
ステージ2
ストーリー:ジリアン・M・エンカーナシオン
翻訳・編集: 小坂雄太・CLAチーム
イラストレーション:ファレン・フェビオラ
Prologue
※この話は、自分の夢の一つだと思って読んでみてください。
「シスターアイランド」は三人の姉妹ルーズ、サヤ、ミンダのお話です。このお話は、ある災害で三人がバラバラになるところから始まります。そして、三人がまた一緒になるために色々な島を旅します。
Chapter 1:
私の人生が大きく変わった前の日の話
ルーズ
この島には、私の両親とサヤとミンダ、そして、近所の人もいました。ナナイ・ペナン、彼女の息子、そして海の近くに一人で住む、タタイ・バーロットです。
私たちの島には、火山と美しい湖があります。また、両親の大きな畑もありました。アテ・ミンダは、畑の仕事を手伝いました。まだ小さかったサヤはいたずらが好きで、私はサヤの世話をしていました。
この日が、私の人生が大きく変わる前の日でした。そのことを、私は知りませんでした。
Chapter 2:
これは「祭り」なんかじゃない
ミンダ
私はこの日のことをよく覚えています。その日の仕事が終わると、サヤが「もう遊べますか?」と聞きました。ルーズが「かくれんぼをしましょう」と言いました。私はかくれんぼの「鬼」になりました。
「1、2、3…..10! 行きます!」
その時、地面が揺れました。私は妹たちが心配になりました。私は妹たちの名前を呼びながら、走りました。
「ルーズ! サヤ! どこにいるんですか?
出てきてください!」
何かが燃えたような匂いがしました。私は苦しくなりました。空気がどんどんと黒くなりました。小さな黒いものが降ってきました。私は、村の祭りだと思いました。しかし、違いました。
私は森を出ると、海でサヤを見つけました。私はサヤのところまで走りました。
「何が起きているんですか? アテ・ルーズはどこですか!?」サヤは怖がっていました。
「大丈夫です。お父さん、お母さんが私たちを見つけてくれます。そこにルーズも一緒にいます。心配しないでください!」私はサヤを安心させるために言いました。
島の人は「火山が噴火したんです!」と言いました。タタイ・バーロットが「船に乗ってください。島を出ましょう!」と私たちに言いました。私はサヤを船に運びました。そして、私はルーズと両親を探しに島へ戻りました。
「置いていかないでください!」サヤは泣きました。しかし、私は島へ戻りました。
私は森の中にいました。その時、目の前が暗くなりました。それが、私が最後に覚えていることでした。
Chapter 3:
バラバラになった私の心
サヤ
アテ・ミンダは知らなかったと思います。彼女の目の前が暗くなったのは、私がココナッツを彼女に投げたからです。私は家族が死ぬのは嫌でした。だから、私はアテ・ミンダを船に戻しました。
「あれは...あなただったのね。」アテ・ミンダは怒りながら言いました。
長い間、私たちは海の上にいました。
「気を失っていたから、船に乗せたんです」私はアテ・ミンダに言いました。
私たちは新しい島で生活を始めました。アテ・ミンダは新しい生活に慣れるまで時間がかかりました。私の心は悲しみでバラバラでした。しかし、私たちの心は少しずつ、良くなっていきました。
夕方になって、アテ・ミンダと私は話しました。
「私、ここにずっと住めると思います。島の人はやさしいし、海も夕日もきれいです。でも、一番大事なことは、ここにアテ・ミンダがいることです。私はあなたがいればそれで幸せです」私は言いました。
「わかります、でも…」アテ・ミンダがそう言うと、静かになりました。
「私は必ずルーズを見つけると決めたんです」もちろん、私は彼女がそう言うとわかっていました。
「それならアテ・ルーズを探しに行ってください。私は一人でも大丈夫です」私は言いました。
でも本当は、悲しみで心がいっぱいでした。
Chapter 4:
全ての視線が私に集まった
ミンダ
サヤが私に「ルーズを探しに行ってください」と言うとは思いませんでした。
日が明けて、わたしは前の家に向け出発しました。風が次第に強くなり、波が高くなりました。舟は大きな雷に打たれて、私は海に落ちました。
海の音。
遠くから聞こえる声。
「ここは…天国ですか…?」
私は思いました。
“Sa panan-aw mo, diin siya gikan?” (どこから来たんだ?)
“Buhi ba na?”
(Is she alive?)
私の周りにいる人たちが、知らない言葉で話していました。目を開けると、男の人が私の顔を見ていました。
「あなたは誰ですか!? ここはどこですか?」私は聞きました。
「ここは南です」男が言いました。彼はここのリーダーでした。
「どうやって来たんですか?」彼は聞きました。
「私、生きてるんですか?」私がそう言うと、男は少し笑いました。
「君は生きています。疲れてるみたいです。少し休んで、明日話しましょう」
私は小さな建物に案内されました。私は疲れていたので、そこでぐっすり寝ました。
次の日、私はニワトリの声で起きました。外を見ると村の人たちが見えました。私がそこに行くと、全員が私のことを見ました。そして、男が私の知らない言葉で話しました
Mindanao (Cebuano):
“Kagahapon, usa ka katingad-an nga babaye ang na padpad sa among baybayon. Dili kami sigurado kung giunsa niya pag abot dinhi ug kung kinsa siya. Apan, hunahuna namo nga wala siyay sala ug mianhi siya dinhi nga malinawon. Atoa siyang dawaton ug ipa bati sa iyaha na dawat nato siya”
(彼女が誰か、どうやってここに来たのかはわかりません。しかし、彼女は困っています。彼女をやさしく迎えましょう。)
すると、また全員が私のことを見ました。集まりが終わると、男が私のところに来ました。
「僕はフェリペです」
「私は…ええと、アロンです」私はうそをつきました。
「来てください! 案内します!」
Chapter 5:
私たちで力を合わせよう
ミンダ
フェリペは島を案内してくれました。とても美しい島でした。
その夜、私は眠れませんでした。島から出るにはどうすればいいのでしょう。
朝、私は船に乗って島を出ました。海は静かでした。しかし急に雷が鳴りました。風は強くなりました。そして、私の船はひっくり返りました。私はまた、海に落ちました。その時、折れた木が見えました。それをつかむと、海岸に着きました。海岸にはフェリペがいました。
「危ないって言いましたよね?」フェリペは言いました。
「自分の目で見たかったんです」
「来てください、夜ご飯を作ったんです」
彼の小さな建物に行くと、エビ、マグロ、カニが大きなバナナの葉の上に置いてありました。全て私の好きなものです。
「座ってください」フェリペは言いました。
「ありがとうございます」
「お腹が減ってるかなと思ったんです」フェリペはそう言うと、私にカニを渡しました。
「君を見てると、誰かのことを思い出します」
「本当ですか? 誰のことですか?」
「君は、僕が北に住んでいた時に僕を助けてくれた女の子に似ています」
「北に? だから私の言葉が話せたんですね! どうしてここに来たんですか?」
「あの女の子の大切な人を探していたんです」
「ああ…」
「でも、見つけられませんでした」
「私たちで力を合わせましょう」私はやさしく笑いました。
「フェリペ...フェリ...あー! フェリペ! どうして気づかなかったんでしょう! 木の下で動けなくなってる子がいたんです。彼は私が助けたんです」ルーズは言いました。
「その子どもが...」私はびっくりして言いました。
「そう、フェリペです」
「彼が生きてたってことは...あなたも...」サヤは言いました。
「そう、私もです」
Chapter 6:
木の下で動けなくなっていたあの子どもは
ルーズ
「い、生きてたんですか...?」サヤはびっくりして言いました。
「私はあなたを探すために戻ってきたんです! サヤが私の頭を殴ってさえいなければ...」
アテ・ミンダは言いました。
「あなたのせいではありません」私はアテ・ミンダに言いました。
それを聞いてミンダはやさしく笑いました。
あの日、二人が海で待っているのが見えました。私は二人のところに行きました。だけど、子どもの「助けて!」っていう声が聞こえたんです。
私と同じくらいの歳の子供が、木の下で動けなくなっていました。
私は彼を助けました。彼を助けると、船はもう見えませんでした。
私たちは古いボートを見つけました。
私たちはボートで島を出ました。
「今までどこにいたんですか?」ミンダは聞きました。
長い間、私たちは海の上にいました。ある時、風が私たちの島の方向に船を運びました。私たちはそこで新しい生活を始めました。
「本当は二人を探したかったのですが、他の人たちを置いていけなかったんです」
「謝らないでください。わかっています」ミンダは泣きながらそう言いました。
ある日、フェリペがいなくなりました。
そして、テーブルの上にメモを見つけました。
彼は二人を探すために島を出ました。
「ナナイとタタイは...?」ミンダは私を見ました。
私が首を横に振ると、彼女は悲しい顔になりました。
Epilogue
島々に住む人々は増えていきました。ルーズ、サヤ、そしてミンダは時々「島」に降りて、人々を守っていました。
村では、奇跡がたくさんの村に広がっていきました。北の人々は、ルーズが自分たちを守っていると信じました。中央の人々は、サヤが自分たちを幸せにしていると信じました。そして南の人々は、ミンダが海を静かにしていると信じました。
THE END